いま見ているドラマの話

はじめまして。3人目の30歳です。やや出負け加減ですが私もスタートです。よろしくお願いいたします。

 

なにについて書けばいいか迷いましたがとりあえず、毎週欠かさず見ているドラマ『俺の家の話』を見て思ったことをつらつら書き留めていきます。

TBS系で毎週金曜日の22時から放送されている、宮藤官九郎さん脚本、長瀬智也さん主演のテレビドラマです。

 

長瀬さん演じる主人公は、能楽師の家に生まれたけれど、いくら稽古を積んでもなかなか認められず、17歳で家出してプロレスラーになって、そこそこの活躍をしたものの、人間国宝の父親が倒れたことをきっかけに25年ぶりに実家に戻り、父の介護をしながら、宗家を継ぐためふたたび能の稽古に励む。といった具合のお話です。

 

プロレスが好きだからこのドラマを見始めたわけですが、いまではすっかりこのドラマに夢中なんですよ。

介護の問題とか、家・相続の問題とか、なかなかシビアな題材を扱ってるけど、これだけ毎週楽しめているのは、長瀬智也の「主役力」によるものだと思うんです。華があるといいますか、画面に映っているだけでなんか見ていられる感じ。これって一流レスラーにも言えることなんですよね。リングの上に立っているだけで期待感がある。場を支配する力がある。そういう意味でもプロレス的な見方ができるドラマです。

(あまり関係ないですが、プロレス的なヒールターンをきっちりと描いた場面もありました。)

 

しかもその長瀬さんがプロレスシーンも吹き替えなしでやっているというではありませんか!なんだかんだあって主人公は覆面レスラーになっているにも関わらず、ですよ。

先日放送された第7話ではショルダータックルを食らったところから跳ね起きして、カウンターの鮮やかなドロップキックを披露しています。これがまあ見事なもので、相手を蹴った後の空中の身のこなしは美しかった。

(さすがにラストのコーナーからの飛び技は違う人のような気がします。あの危険な技を素人にはさせないんじゃないかと。ただ「どこまでほんとに長瀬さんなんだろう」という気持ちで見ることが「プロレスを見る」という行為に通じるような気がします。)

 

でもそんな長瀬さんはこの春で事務所を退所して裏方の仕事をしていく、ということなんだそうです。おそらく連ドラはこの作品が最後になるんでしょう。ああ、この人の魅力にもっと早く気がつくべきだった。

 

昔からそうなんですよね。キリンジを好きになった時は泰行が脱退する直前だったし、「粋な夜電波」を聞き始めた半年後に番組が終わったり。

そりゃあこれだけ多くのものが記録メディアに保存されアーカイブ化されてりゃ、そこにはたくさん好きになれるものがあるわけで、タイガー&ドラゴン見たり、キリンジのCDを聞いたり、夜電波の過去の放送を聞いたりしていれば、それなりの満足感は得られるでしょう。それ自体が悪いことではないんですが、その時に思うんです。これをリアルタイムで体感したかったと。

メジロマックイーントウカイテイオーが対決した92年の天皇賞春のレースを見ることはできても、そこに至るまでの期待感や、NHKのニュースでも報道されたというような当時の空気みたいなものは体感することはできない。という感じですよ。

 

だからこそいま、このドラマをしっかり楽しんでやろうと思うんですよね。週明けに職場の同僚とあーだこーだ感想言いあったり、もう終盤に差し掛かっていて終わっちゃうのが寂しい感じとか、それでも次の回を心待ちにしているこの感覚も大事にしていきたい。長州力いうところの「今しかないぞ!」ってやつです。そんな気持ちで次の金曜日を待ちたいと思います。